工場知識

治具の意味って何!?治具ってどう製作すればいいの!?

どうも、とにーです。

私は、製造業の生産技術という部門に属しているのですが
よく治具を製作しています。

そこで、今回は治具がよくわからないという方
治具をどう製作すればいいのか悩んでいる方に
向けて治具の説明してきます。


治具の意味

治具とは、作業を効率化させるための専用の道具・機械のことを言います。

製品を組み立てする時に使用する簡単な台から
製品の検査や特性検査を行う装置まで様々なものを指します。

ではこの治具が必要になるのはどんな状況の時か。
試作品・新規量産品の立ち上がり時や量産品の時
作業効率化を図れないか相談された時です。

それぞれ下記に説明していきます。


治具製作の流れ

試作品・新規量産品の立ち上がり時

完成に至るまでどのようなものが必要か
材料の受け入れから出荷まで全ての工程を一つ一つ考えます。

例えば、部品を並べる台やねじ締めの時のドライバーやら固定台、作業台まで全て考えていきます。
そして、どの治具・設備から先に準備していかなければいけないかを考えます。

なぜならば治具を製作しなければならない場合、自社内で加工設備があればいいですが
ない場合は外注に製作依頼を出さなければいけません。

外注に依頼する場合、忙しい時期だと1か月以上掛かってしまう場合もあるため
何を先に設計するか順番も考えながら進めていく必要があるからです。


試作品であれば製作する数量も少ないので
そこまでがっちりと治具の準備をする必要はないと思われますが
新規量産品は別です。

作業者にも、このような作業工程でいくという説明をしつつ
作業しやすい環境を整える必要があります。

組付ける時にかなり力が必要な工程、人の技量によるところが大きく品質が安定しないであろう工程等は
特に力をいれて治具をした方がいいです。


試作品では、少量だったため時間を掛ければできたが
量産品だと作業効率が悪すぎて全然生産が追い付かないという状況は避けなければいけません。

試作品製作時は治具の試しの場と考え、治具の改善点を探しつつ評価するようにしましょう。


量産品の作業効率化の場合

まず作業者に現行の作業方法の改善点について詳しく聞き取り調査します。

作業しにくい点、効率化できそうな点というのは作業者が一番良くわかっています。
現状の作業方法を考慮しつつ、どのような治具を作るのがベストかを考えていきます。

図面・構想を考えて作業者に、この形でいきたいという了解を得ます。
作業者から「これじゃあやりにくそう」「もっとこうすればいいのでは?」という
指摘があった場合はその内容を考慮して、もう一度設計を作り直します。

一番大事なのは、普段作業する人がやりすやすい方法、ミスが出にくい方法を確立することです。

作業者の要望があまりにも多い場合、全てに答えることが難しくなりますが
可能な限りベストを尽くします。

そして実際に治具を製作したら作業者に使用してもらい、修正点があれば治具を更に改良します。

治具は、製作してから微調整が必要な場面が多いです。
あらかじめ微調整ができるような
設計をして、もしもの時に備えるようにできるようにします。


最後に

治具を製作する流れとしては
・どんな治具が必要か最初に明確にする。
・どのように製作するか決定する。(社内・社外で加工)
・コストもなるべくかけないようにする。
・治具の図面を書く
・製作をする。(材料の手配やら加工を考えると意外と時間が掛かる。)
・実際に作業者に使用してもらい感想を聞く。
・改良点があれば改良する。

のような流れです。

実際に治具を製作するとわかるのですが、設計から完成まで意外と時間が掛かります。

慣れない内は特に、あれやこれや意見を取り込もうとして全然設計がまとまらなかったりします。

まず簡単なものからチャレンジしていくことをオススメします。
もし、コスト的に、時間的に失敗が許されないものの製作をしなければならない場合は
先輩社員によく相談しながら進めていった方がいいでしょう。
迷惑を掛けることになりますが、治具の製作を失敗して大きな問題になるよりは、はるかにマシです。

ものづくりは、何でもチャレンジすることが大切なので失敗してもそこでくじけずに
地道に経験を積んでいきましょう。


最後までご覧いただきありがとうございました。