この記事は
・ねじの並目・細目について知りたい方
・並目・細目の見分け方を知りたい方
にオススメの記事です
ねじの並目・細目に関して
ねじには並目(なみめ)・細目(※ほそめ)と種類があります。
一般的使用されるねじは並目で、基本的にホームセンターでは並目が販売されています。
細目ねじは製造業関連ではよく登場する言葉です。
※JISの記述では「ほそめ」となっているのですが、「さいめ」と呼ぶ人もいます。
並目・細目の違い
並目・細目の違いはねじのピッチです。
ピッチとはねじ山の間隔のことで、間隔が並目よりも短いものが細目となります。
引用元:日東精工株式会社
細目ねじのメリット
・精密な調整に適している
ピッチが細かい分、微調整が効きます。
(例えば金型で精密な位置調整をした時に使用する等)
・並目と比較してねじのゆるみに強い
細目はピッチが小さい分、ネジの螺旋角度(リード角)も小さくなり、ゆるみに強くなります。
細目ねじのデメリット
・入手性が並目に比べて悪い
並目ねじはホームセンターで購入できますが、細目はなかなか売っていません。
モノタロウやミスミのインターネット通販や商社経由で購入する必要があります。
・焼付き、かじりが発生しやすい
電動工具で、高速で締め付けを行うと焼き付きを起こす可能性が高いです。
また、ピッチが細かい分、山の強度は弱いです。相手部品に斜めにはめ込んでしまうと山がつぶれてかじりが発生してしまいます。
並目・細目 見分け方
並目・細目 現品での見分け方
同じ大きさの並目ねじと細目ネジを用意し、ピッチの細かさを比較すれば判別できないことはありませんが確実性に欠けます。
引用元:E&M JOBS
手軽にできる判別方法はナット(並目)にはめてみることです。
並目のナットにネジをはめて
ナットに入る:並目
ナットに入らない:細目
と判定することができます。
ただし、ネジ山が変形しているなど状態次第では並目同士でも入らない可能性があります。
その場合は、ネジの外観を確認して異常がないこともチェックするようにしましょう。
もう一点注意すべき点として、並目・細目の他にインチねじという規格もあります。
並目が入らなから細目と判断したが、細目にも入らないというケースがたまにあります。
最終的にはねじ寸法を確認して判断するようにしましょう。
※異品混入等で量産品の選別をしないといけない場面ではねじゲージと呼ばれる正確なゲージで選別することをおすすめします。
並目・細目 図面での見分け方
例としてM8の図面指示に関して説明します。
並目の場合
M8
並目の場合は、ピッチ1.25という記述が省略されます。
細目の場合
M8✕1.0
M8に続けて指定する細目のサイズを記述します。
メートル並目ねじおよびミニチュアねじのように、同一呼び径に対し、ピッチがただ一つ規定されているねじでは、一般にピッチを省略します。
引用:JIS B 0123:1999 より
※JISの規定では上記のようになっていますが、図面を書く人によって少し癖がでることがあります。図面は規格に沿って書かれるべきですが、少しでも疑問に思うような記述がある場合は設計者に問い合わせることをオススメします。
まとめ
・並目、細目はピッチが違う。細目は精密な調整に最適。
・並目、細目はナット(並目)にはめることで簡易的な判別が可能。
私自身、細目ねじは金型の位置調整で使用したことがあります。
噂で聞いていたとおり、微調整には最適でした。
細目ねじの加工に工具を用意しなければいけないため、その点だけ注意が必要です。
細目ねじ用のタップが会社にあったため、工具を購入する必要はありませんでしたが
なければ購入する必要が出てきます。
今後、並目だけでなく細目に関しても覚えておくと便利です。
最後までご覧頂きありがとうございました。