この記事はこんな方にオススメです。
・簡単に交流・直流の説明を知りたい方
・交流・直流の違いを知りたい方
・電気分野の初学者
難しい言葉を使用せず交流・直流を説明します。
目次
交流(AC)・直流(DC)とは
交流・直流は電気分野で登場する言葉です。身の回りに交流電流、直流電流がたくさん使用されています。以下にくわしく説明していきます。
交流(AC)とは
主にみなさんの家庭や施設に電気を運ぶ時に使用されます。
具体的に、発電所で作られた電気が電柱を経由して家庭等に運ばれてきます。
家庭内のコンセントは交流です。(一部例外として、最近ではUSB端子がついたも直流のコンセントもあります。)
また、交流はAC(えーしー)と表記されることが多いです。
※AC=Alternating Currentの略
交流のメリット
発電所から各地に電気を運ぶのに適している。
交流は ※1 変圧 しやすいです。
発電所で作られる電気は20~50万Vと非常に高い電圧です。これが電線を伝って各地点に運ばれるのですが、高いままだと危険ですし使用もできません。
そのため何回かに分けて、電圧を下げながら各地点に運ばれます。
例えば、電柱の電線には6600Vが流れているのですが、家に電気を運ぶ際は変圧器と呼ばれるものを通って100V(200V)にされたものが運ばれてきています。
そもそも発電所で100Vの電気を作ればいいと思うかもしれませんが、
高い電圧で運んだほうが、※2 電力の損失 を少なくできるのです。
※1 変圧:電圧を変更すること。例:200V→100V
※2 電力の損失:
電気が電線を通る時に、電線が抵抗となり電気の効率が落ちます。
ここで電気が熱エネルギーに変換されてしまい電力損失してしまいます。
交流のデメリット
電圧が安定しない
交流は電気の向きが常に入れ替わっています。
交流は変圧しやすい分、流れが安定していません。
そのためAC100Vと書かれたコンセントでも、実際に測定すると102Vのように少し高めに設定されています。
蓄電ができない
モバイルバッテリーや蓄電池に電気をためておくことができません。
直流(DC)とは
身近なもので言うと、スマートフォンやノートパソコン、乾電池、モバイルバッテリーといった電子機器関連は直流のものが多いです。
「コンセントから電気を得ているのなら交流では?」と思うかもしれませんが
交流から直流へ変換し使用されています。
例えば以下のもので 交流→直流 へ変換しています。
また、直流はDC(でぃーしー)と表記されることが多いです。
※DC=Direct Currentの略
直流のメリット
電気が安定している
交流とは異なり、電気の流れが常に一定です。
電気の流れが一定であるため、安定した電力を必要とする電化製品等で必要とされます。
蓄電ができる
バッテリーに充電をすることができます。
最近ではバッテリーに充電して使用する電化製品が増えているため、直流が使用できないと大変不便です。
直流のデメリット
+(プラス)、-(マイナス)の方向がある
直流には+、-と電気を流す方向があります。
この電気のつなぎ方を間違えると、機械が壊れたり、動かなかったりします。
一般に生活する分には、プラグ形状が間違えを防止する設計になっているため気にしなくてもいいです。(例えば逆に接続しようとすると、突起の方向が合わずに組み付かない等)
ただし、電子工作をされる方や、工場でセンサ関係を取り扱う方はつなぎ方を注意する必要があります。
変圧が交流に比べて難しい
交流に比べて、変圧にコスト、設置スペース等が必要になります。
※ただし、電子工作程度(24V以下)であればDC/DCコンバータで変圧はそれほど難しくありません。
交流と直流の違い(ACとDCの違い)
交流と直流は電気の流れ方が違います。
図で説明をしていきます。
交流の電気の流れ
交流はプラス、マイナスを繰り返した電気の流れとなっています。
コンセントに電源プラグを差し込む時に方向を気にしなくても良いのはこのためです。
(厳密には接地側、非接地側が分かれていますが、音響機器にこだわりがある人以外はあまり気にしなくていいです。)
直流の電気の流れ
直流は交流と違い、常に一定の電圧が流れています。
そのためプラス、マイナスを正しく取り付けないと電気が流れません。
まとめ
・交流、直流は電気の流れ方に違いがある。
・発電所から各地点に電気を届けるのは交流が適している。
・家電製品等は直流に変換されて使用されていることが多い。
(交流でそのまま使用するものもある。)
今回は、交流・直流に関して説明をしました。
言葉は聞いたことあっても実際にどのような違いがあるのかわからない方も多いと思います。
日常生活をする上では、知識が無くても支障はありませんが
電気を扱う仕事をしている方や、電子工作を始めたいと思っている方は
覚えておくと便利です。