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NO・NC?モーメンタリ・オルタネイト?選定に悩んでいるあなたへ

とにー
とにー
ボタンの仕様って思ったよりも色々あってどれを選べばいいかわからない…

この記事は
・NO・NCの意味を知りたい方
・モーメンタリ・オルタネイトの意味を知りたい方
にオススメの記事です。

NO・NC とは?違いは?

NO・NCとは、ボタンやスイッチのON・OFF構造の違いを表すものです。
以下に詳しく説明していきます。

NO(ノーマルオープン)   別名:a接点

スイッチを例に考えると、ボタンを押したときだけONするのがNO(ノーマルオープン)です。
初期状態ではOFF、ボタンを押すとONです。(下図参照)

NO(ノーマルオープン)を説明している図

 

NC(ノーマルクローズ)   別名:b接点

NOとは逆に、ボタンを押したときだけOFFするのがNC(ノーマルクローズ)です。
初期状態ではON、ボタンを押すとOFFです。(下図参照)

NC(ノーマルクローズ)を説明している図

 

補足:c接点

NO(a接点)、NC(b接点)の他にc接点というものがあります。
こちらは NO・NC ふたつを合わせた構造になっております。

NO・NC 使い分け

NO(ノーマルオープン)  使用例

NOは日常で多く使用されているタイプとなります。
ボタン・電源スイッチを押したらONさせる動作となります。
「ノーマルオープン=通常は開いている」と考えると覚えやすいです。

NC(ノーマルクローズ)   使用例

NCが活躍する環境は非常停止ボタンなどが多いです。
ただし、NO構成の非常停止ボタンも販売されているため注意です。

通常時はONしっぱなしですので、あってもなくても意味は無いように思われますが
ボタンを押して電気(信号)の流れを遮断する時に役立ちます。
「ノーマルクローズ=通常は閉じている」と考えると覚えやすいです。

c接点 使用例

c接点は、電気(信号)の切り替えを行いたい時に役立ちます。
また、c接点はNO・NCどちらの使い方もできるため予備としてスイッチを保管しておきたいときに便利です。
(ただし、NO・NCどちらか一方の構成となっているスイッチより少しだけ高いです。)

 

NO・NCの接点構成

カタログや通販サイトを見ると接点構成は「1a」「1b」「1a1b」のように記述されていることが多いです。ただし、難しく考える必要はありません。
それぞれ下記を意味します。

NOは別名でa接点
NCは別名でb接点

「1a」の1はa接点が1個ついていることを表します。
「1b」の1はb接点が1個ついていることを表します。
「1a1b」はa接点が1個、b接点が1個ついていることを表します。

1a1bはNOとNCの構成が別々についており、スイッチを押すと同時にNO・NCの役割を果たします。配線の仕方でどのように機能させるかを決定します。

NO・NCの注意点(電磁弁では逆になる)

注意点ですが、電磁弁(空気圧機器)では仕様が逆になります。
NO:常時開放(常に空気を開放)→導通時閉鎖(導通している間、空気を遮断)
NC:常時閉鎖(常に空気を遮断)→導通時開放(導通している間、空気を開放)

電気機器(リレーやセンサー)とは違いNO・NCの仕様が逆になるため選定の際は注意が必要です。

モーメンタリ・オルタネイトの違い

モーメンタリの特徴

モーメンタリはボタンを押している間だけONするスイッチです。
一般的にはモーメンタリボタンが多く使用されています。
例えばUFOキャッチャーの操作ボタンです。

モーメンタリは押している間だけONするものですが、自己保持という回路をつくれば
ONしっぱなしにすることも可能です。

モーメンタリスイッチを説明している図

 

オルタネイトの特徴

オルタネイトは一回ボタンを押すとON状態を維持し、
もう一回押すとOFFするスイッチです。
LEDライトの電源などでこのタイプが多いです。

オルタネイトスイッチを説明している図

 

まとめ

・NO(ノーマルオープン)はボタンを押したときだけONする
・NC(ノーマルクローズ)はボタンを押したときだけONする
・モーメンタリは押している間ONする
・オルタネイトは1回押すとON状態を維持、もう一回押すとOFFする

いかがだったでしょうか。

私自身、新人時代はスイッチはこんなに種類があるのかと驚かされた記憶があります。
日常生活で何気なく使っている部品も細かい仕様が色々あり、改めて奥の深い世界だと感じました。

私の使用方法では基本的にNO(ノーマルオープン)がメインです。
そこまで複雑な制御をすることがないのため、NC(ノーマルクローズ)を使う場面はリレーの自己保持解除くらいでしか使用していません。

ボタンを購入するとき、配線するときに間違ってしまうと誤動作を起こし問題につながる可能性があります。

確実な知識を身に着けて安全に作業していけるよう日々心がけていきましょう。
最後にこの記事が少しでもあなたのお役に立てれば幸いです。

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